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成績アップの極意(3)睡眠

2018/07/10
成績の上がる処方箋

今回の成績アップの極意は『睡眠』です。

試験が目前に迫りやむを得ず睡眠を削って丸暗記をした経験はどなたにもある事だと思います。
これはあくまでも非常事態の緊急措置です。

しかし、思ったように成績が伸びない時、この『緊急措置=睡眠を削って勉強する』が常態化してしまう事が良くあります。
睡眠を削って勉強をしてしまうのです。

結論を先に言えば睡眠を削って勉強しても成績は絶対に上がりません。

昭和の初期、四当五落などと言う言葉が存在しました。

「志望校に合格するには四当五落じゃないと合格しない」などと言われたものです。

四当五落の意味は「四時間寝ていたら大学入試に合格するが、五時間寝ていたら落ちる。」と言う意味です。

この言葉が一般に良く使われたと言う事は、このころから睡眠を削って勉強することを礼讃する風潮はあったわけです。

 学校の先生が「ナポレオンは三時間しか寝なかった」と言っておいて、続けて「英雄ですら睡眠時間を削ったのだから、君たちも頑張れ!!!」と続く激励(お説教)が常でした。

日本人にとって努力は美徳であり、睡眠時間を削って学習することは、さらなる努力であり、さらなる美徳でもあるのです。

しかし、最近の脳科学はこの『極上の美徳』を完璧に否定しています。

脳の記憶についてのメカニズムが明らかになるにつれて、睡眠は記憶に必要不可欠なものであることが分かってきました。

このブログでも何度も触れましたが、脳の記憶をつかさどる部位は『海馬』です。
『海馬』短期記憶長期記憶を制御する働きを受け持っています。人間が活動している間に得た情報は一旦『海馬』に蓄えられます。これが記憶です。そして睡眠中に『海馬』はこの蓄えた記憶短期記憶長期記憶に割り振る役割を担っているのです。長期記憶に割り振られると記憶は大脳皮質のネットワークとして蓄えられます。このネットワークに組み込まれなかった記憶は短期記憶としていずれ消去されてしまいます。

 又、試験に役立つ記憶は長期記憶短期記憶のとちらでしょうか。当然長期記憶ですね。試験で高得点を目指すためには、長期にわたって記憶された正確な記憶が必要不可欠になるわけです。

 では海馬に記憶を長期記憶に割り振ってもらうにはどうすればいいでしょうか。まず大切な事は、脳のなかで海馬が働きやすい環境をまず整えるとです。

 そのために最も大切な事は「睡眠」です。適度な睡眠を確保しないと海馬は十分に働いてくれないのです。

 『海馬』は睡眠中も活発に活動をしています。しかし、睡眠不足になるとこの『海馬』の働きが鈍って、記憶を長期記憶に割り振る事が出来なくなってしまう事が分っています。

 試験前に行われる、非常事態の緊急措置、徹夜での丸暗記は「一夜漬け」と呼ばれるます。あわてて漬けた漬け物は十分漬かっておらず、不完全なため捨てられる運命にあります。試験が終わればこの「一夜漬け」記憶は瞬時に消えてなくなってしまいます。

 この様に記憶のメカニズムのなかで主役をになっていいるのは「睡眠」なのです。

従って、記憶力を強化したいと考えるならまず睡眠を取る事を考える必要があります、しかも良質の睡眠が最も効果があるのです。

しっかり睡眠を取って、起きている時間に集中して学習する事が最も効果がある学習法と言えるのです。

学業での成功を目指す皆さん、ご自身の『睡眠』を見直して下さい。そこに記憶力強化のヒントがあるかも知れません。

絶対に夜更かし徹夜はしてはいけません。記憶力が衰えるばかりか、健康にも害があります。

睡眠を軸に生活を見直して、生活の改善を試みて下さい。そうすれば必ず成績も向上してきます