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成績を上げる処方箋【英語学習法】語学の天才ピーターフランクルから学ぶ
さて英語の勉強法についてです。
英語の勉強法については色々な方法が提唱されています。
書店に行けば英語の学習法の本があふれています。
日本人は英語学習が好きというより、英語学習法を学習するのが好きなようです。
どこかのプロゴルファーをメインキャラクターに据えて「聞き流すだけで英語が出来るようになる」という学習CDが大々的に販売されていたのは皆さんもご記憶に新しい所だと思います。
しかし、その結果英語が出来るようになったという人にお会いになったことはありますか?
私はついぞ会ったことがありません。そのCDによる勉強法のコマーシャルにも最近は余りお目に掛からなくなりました。
この勉強法が本当なら今頃日本中英会話の達人で溢れていたはずですが、そうはなっていない様ですね。
この様な安易な英語勉強法はその他にも雨後の筍の様に色々出ています。
もう一つよくあるのは
「二週間海外留学でネイティブ並みの英語力を身につけましょう。」です。
これも、全く効果はないと言いませんが、物見遊山の海外旅行の範囲を出るものではないようです。
アクロス個別指導学院の講師たちも毎年何人かこのシステムを利用していますが、
帰国後、どうでしたかと尋ねると、
大体答えは「いい刺激になりました。」です。これが正直な感想だと思っています。
オーストラリアやニュージーランドに行った学生は、英語が出来ない事で現地の人達に相手にされず悔しい思いをして帰ってきている人も大勢います。この悔しさで英語の学習に火がつけば二週間の滞在費は安いものです。
また、イギリスやアメリカの大学大学に留学しようとしても、ご承知のようにある一定基準の英語力がないと入学できません。そこで、入試に必要な英語力を身に付けるため、現地の語学学校に通わなければなりません。しかし、このルートに入る日本人で大学入学に必要な英語力が身に就く人はそれほど多くありません。これが実態です。
それは、日本人は語学学校に通っている日本人同士で集まってグループを作って日本語で話し合ってしまうため、英語が上達しないため、といわれています。
東京の学生がアメリカに行って「大阪弁を覚えて帰ってきた」などという笑い話もあります。
イギリスやアメリカ等の英語ネイティブの国に滞在したとしても英語は出来るようにならないというのが実態なのです。
ではどうすれば英語が自分のものになるのでしょうか。
その解答を探るため、ここで語学の天才ピーターフランクの著書『ピーター流外国語習得術』(岩波ジュニア新書)を覗いて、彼の語学習得の手法を見ていきましょう。
まずはピーター・フランクルの紹介から。
ピーターは1953年生まれのユダヤ系ハンガリー人です。両親は第二次世界大戦でユダヤ人収容所に強制収容された悲惨な経験を持っています。
彼の今の職業は大道芸人です。しかし、驚くことに国際数学オリンピックで金メダルを取った数学者でもあるのです。これだけでもかなり才人なのですが、実は驚くことに、彼は大道芸人として国々を転々とする中でなんと12か国語を自国語並みに操ることが出来るようになってしまったという、語学の天才なのです。
そんな語学の天才ピーターは、彼の著書のなかで、母国語であるハンガリー語、英語、ドイツ語、スウェーデン語、フランス語、スペイン語、ロシア語、ポーランド語、日本語、韓国・朝鮮語、中国語がネイティブ並みであり、あそれに加えてインドネシア語が少しできると自己紹介しています。恐るべし、ピーター・フランクルですね。
そこで私はコマーシャルベースの英語学習法に安易に乗るのではなく、「ピーター・フランクルから謙虚に学ぼう」と考えたわけです。
それでは、彼が中学・高生用向けに、自身の経験に基にして書いた語学学習法に関する著書「ピーター流外国語習得術」の中を一緒にひも解いてみましょう。
この著書の中でピーターフランクルは次の様な方法をどの外国語にも通用する、語学習得法としてあげていますので、是非参考にしてください。
しかし、残念ながらどれも特別なものはなく、昔から存在しているありきたりの方法です。この本の中から私が抜粋した六項目を、以下に記載しましたのでまず確認してください。
- 単語は自分の単語帳を作って覚える。
- 単語は発音を耳で聞いて覚える。
- 覚えたらすぐ使ってみる。
- ネイティブとコミュニケーションをとる。
- 基本文法を覚えたら、例文を丸ごと暗記する。
- しっかりした母国語を磨くことが一番大事。
さてどうでしょう。
ピーター流の特別な方法は全くないですね。
一般的に流布している方法を積み上げただけです。
当たり前のことをコツコツと積み上げる。これがピーター流とも言えます。
その中で私が注目したいのは
2.単語は発音を耳で聞いて覚える と 6.しっかりした母国語を磨く事が一番大事 です。
この本が出版された、今から18年前の1999年に比べると我々は英語の発音に触れる機会に恵まれています。Iphone、Ipad,などのデジタルデバイスが普及し、またインターネットが生活に溶け込んで身近になったことで、私たちは何時でも何処でも生の英語に触れる事が出来るようになりました。ピーターが提唱している『2.単語は発音を耳で聞いて覚える』は、以前より安価に簡単に出来るようになった分けです。要は皆さん次第です。ぜひ実践したいものです。
それから『6.しっかりした母国語を磨く事が一番大事』であると言う事には最大の注意を払う必要があります。
これはこう考えると簡単に理解できます。
例えばある難解な英文を英語力のある人が正しく日本文に訳したとして、その日本文を理解できなけければ英文を読んで理解できるはずはありません。
つまり、英語の読解力は日本語の読解力以上にはなり得ないと言う事です。
従って、ピーターが言う様に外国語習得には母国語を磨くことが最も大切と言う事になります。
安易で短絡的な語学習得術に惑わされず、地道にアクロス個別指導学院で一緒に学習しましう。
大変示唆に富んだ名著です。何かしら得るものがあるはずです。
是非ご一読下さい。