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学習効果を高める取って置きの方法①【自己テスト】
学習効果を高める取って置きの方法についてこれから何回かに分けてお伝えをしていきます。
その第一弾として今回は【自己テスト】を取り上げます。
ここでいう自己テストとは学習内容を自分で思い出そうと努力する事を言います。
頭の中だけで行っても、紙に書きだしてもどちらでも構いません。
図1
出展:「脳が認める勉強法」ベネディクト=キャリー
それでは早速始めましょう。
上のグラフをご覧ください。
このグラフはある記憶のテストの結果です。
そのテストとは、被験者の学生に300字程度の文章を読ませた後、内容についてどれだけ覚えているか確認テストを行うものです。
文章を読んでから確認テストまでの期間を5分後、2日後、1週間後、の3つに設定し、これに従い被験者の学生を3つのグループに分けます。
この3つに分けたグループをさらに半分に分けます。AグループとBグループと呼びます。
ここからが重要です。注意して読んでください。
AグループとBグループはそれぞれ違った勉強法を採用します。
Aグループ:ステップ1;300字の文章を読んで学習、暫く休息、ステップ2;再度300字の文章を読んで学習。
Bグループ:ステップ1;300字の文章を読んで学習、暫く休息、ステップ2;今度は300字の文章に何が書いてあったかを思い出す【自己テスト】を実施。
つまり、5分後にテストするグループも2日後にテストするグループも、さらに1週間後にテストするグループも上記のA,Bの2つのグループに分かれてテストを行うわけです。
それをグラフ化したのが上図の図1です。
それでは図1のグラフについて考えていきましょう。
5分後に確認テストを実施した場合、Aグループの定着率が、Bグループを上回っています。
しかし時間がたつとこの結果は逆転して、2日後、1週間後では、Bグループの方が定着率が高くなります。
つまり以下の事が結論として言えます。
学習を繰返し行うより、自己テスト(=学習した内容を思い出す努力をする)を行った方が記憶の定着率が上がるという事になります。
これは、脳科学者の実験データそのものですが、実際の学習にこの結果を取り入れることはすぐできます。
この実験データを取り入れた学習法は次の様になります。
① 教科書を読む
② 教科書を伏せて何が書いてあったかを思い出す。
③ 思い出した事を紙に書きだす。
④ 書き出した内容を教科書と照合して間違いを訂正する。
⑤ 次のページに進む
⑥ その後問題集を解く
③④を飛ばして ①➡②➡⑤➡⑥ で進んでも効果はありそうです。
以前読んだ本にもこれに類する事が書いてあったのを思い出します。
その本には『記憶の良い人は忘れそうなことを常に頭の中で反復する努力をしている。』と書いてありました。
記憶の定着には、その対象を常に思い出す努力を常にしなければなりません。繰り返し思い出すことで記憶は定着していきます。
これが脳科学に則った合理的な学習法と言う事になります。
どうでしょうか参考になったでしょうか。
今の言葉でいえばイメトレを学習の間に挟むだけです。
是非実践してみてください。