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スマホと学力の関係
最近、川島隆太著「スマホが学力を破壊する」という本が発売されました。このテーマにご興味のある方、お子様のスマホ使用について、何らかの悩みをお持ちの方は是非ご一読ください。子供のスマホ使用と学力の関係について詳細にかつ科学的に論じています。今回のブログではこの本の内容を参照しながら、スマホと学力の関係を考えていきたいと思います。
【1図】
【2図】 【3図】
上の【1図】を見てください。この図はスマホの使用時間と学力テストの平均点の関係を表したものです。(川島教授の著書の中のP26の図を分かりやすく書き直したものです。)
縦軸が4教科(国語知識問題、国語活用問題、数学知識問題、数学活用問題の4教科)の平均点を表しており、横軸は生徒を、全くしない、1時間、1~2時間、2~3時間、3~4時間、4時間以上、にカテゴリー分けして表示をしています。つまり、スマホ使用の時間に応じてどのくらい学力の変化があるかを表した図と言う事になります。このグラフから読み取れることは、明白です。
『すべての教科でスマホ使用時間が長いほど学力テストの平均点は下がる。』と言う事です。
特に「活用系の問題」で、スマホを使用する生徒の落ち込みが激しいことが読み取れます。このことから川島教授は長時間のスマホ使用は脳の機能、特に思考力を劣化させている可能性があると指摘しています。スマホを使用することで勉強時間が減るから学力が低下するだけでなく、スマホの仕様が脳に悪影響を与えているというのです。この図からスマホ使用による悪影響の実態が浮かび上がってきています。
次に【2図】を見てください。(川島教授の著書のP67とP69の図を統合して表示しています。)この図はスマホを持っているか、持っていないかと言う事だけで生徒をグループ分けして三年間の年単位の成績の変化を表示しています。この図はかなり衝撃的です。この図から読み取れるのはスマホを持っているグループの生徒の成績は年々下降しており、それに反してスマホを持っていない生徒は年々成績が上昇していると言う事です。つまり簡単に言えば成績を上げたかったらまずスマホを捨てた方が良いと言う事になるのではないでしょうか。
この図の表している事実について、川島教授は、社会はもっとこのことに関心を示すべきであり、早急に中高生のスマホ使用に対する対策を講じる必要があると訴えています。
最後に【3図】(川島教授の著書P152の図を見やすく書き換えています。)をご覧ください。こちらは「ながらスマホの影響」を調べたものです。「ながらスマホ」とはスマホを身の回りに置いて勉強しながらスマホを操作している状態を指します。最近のスマホのゲームには、特に操作をしなくてもゲームのキャラクターが勝手に成長していく様にプログラムされたものが多くあります。そうすると生徒は机の上にスマホを置いて勉強の合間にそのキャラクターの成長を見ることになります。つまり、机に向かって勉強している態勢は取っているけど意識は常にスマホに向かっているという構図が生まれてきます。また、生徒が頻繁に使用するLineで相手からの返信がバイブ機能などで分かるようになっているので、返信があるたびに集中は中断されます。また意識も返信があるかどうかや、返信内容に行ってしまい、脳は勉強とスマホのマルチタスクの状態になっており、集中力がそがれて脳の機能そのものも低下してきます。川島教授はこのマルチタスクの状態が思考を司る脳の前頭葉の機能を阻害していると述べています。
川島は「ながらスマホを止めた時点で偏差値は10上がる」と述べています。それぐらいながらスマホは生徒の学力に悪影響を及ぼしています。
さて如何でしょうか。スマホ使用が多大な悪影響を生徒に及ぼしている事がお分かり頂けたと思います。
アクロス個別指導学院では生徒に常にスマホの悪影響について生徒、保護者に説明をして、スマホの使用を控えるように促しています。特に受験期はスマホ使用を止めるのがベストでしょう。
例年アクロス個別指導学院で好成績を上げている生徒たちはスマホを所持していない場合がほとんどです。
ここまでくればもう結論は明白です。
結論は「偏差値を上げて成績を向上させたいならスマホの仕様を控えた方が良い」と言う事になります。
お子様のスマホ使用が気になる方は、まず川島教授の著書を読んで頂く事をお勧めします。そして、家族で話し合い、じっくり考え、必要なら行動に移してください。
ご相談は何時でもお受けいたします。