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試験で結果を出す「記憶術」③
ここでは試験で結果を出す「記憶術」の最初のステップをご紹介します。
まず試験で結果を出す「記憶術」の3つのステップとは何だったでしょうか。
再度確認をします。
1st ステップ 暗記する『情報』を絞る。
2nd ステップ 絞り込んだ『情報』に優先順位をつけ、暗記しやすい形に整理、加工する。
3rd ステップ 整理した情報に触れる回数を増やす。
それではこの3つのステップを順次解説をしていきます。
まずは 1st ステップ からです。
<1st ステップ 暗記する『情報』を絞る。>
さて、暗記が苦手である原因が何かといえば、丸暗記しようとするからだと断言できます。
それでは試験に役に立つ暗記をするにはどの様にすれば良いのでしょうか。
社会の歴史における頻出問題を例にとって解説をしましょう。
手元にある歴史の教科書(東京書籍)44Pに次のような記述があります。
戸籍に登録された6歳以上の全ての人々には、性別や良民、賤民の身分に応じて口分田があたえられ、その人が死ぬと、国にかえすことになっていました(班田収受の法)。
この文章は暗記する必要があります。なぜなら班田収授の法は入試においても、中学の定期テストにおいても、頻出問題だからです。
この文章を暗記する時まずこの文章の骨格をまず考えてみましょう。
① この文章の骨格=『6歳以上の全ての人々には口分田があたえられ、その人が死ぬと国に返す。』です。
付随した情報として 以下の二つがあります。
② 戸籍に登録された6歳以上。=6歳以上が戸籍に登録された
③ 性別や良民、賤民の身分に応じて口分田があたえられた。
さてこことでこの班田収授の法は良く試験に出るのですがどの様に出題されるかと言うと
「 班田収受の法では、6歳以上の男子には口分田があたえられ、その人が死ぬとそれを国に返した。
この記述は 正解か誤りか 」
と言うものです。
さてどうでしょうか。
お分かりになったと思いますが、この文章の骨格のところを見てください。
『6歳以上の全ての人々には口分田があたえられ、その人が死ぬと国に返す。』と書いてあります。
つまりこの文章は誤りです。
口分田があたえられたのは 『6歳以上の男子』ではなく『6歳以上の全ての人々』です。
つまりこの文章の骨格を覚えておけばこの問題は解けるわけです。
ところが往々にして、
性別や良民、賤民の身分に応じて と言う情報に目が行ってしまい、こちらも覚えようとするので肝心の 6歳以上の人々と言う重要情報を確実に覚えられなくなってしまいます。
つまりこの問題でいえば班田収授の法の解説文の①の骨格を覚えておけば難なく答えられるはずです。
しかし、この問題の正答率は高くありません。
何故かと言うと「男子と女子が平等に扱われる様になったのは明治以降であり、それよりはるか前のこの時代は男尊女卑が横行していた」という先入観が頭にあり、口分田があたえられたのは男子だけと考えてしまいこの問題を「正」としてしまうのです。つまり出題者は回答者がこの先入観に陥っている事を知っていてこの問題を作っているわけです。
従ってまず覚えるべきは 『6歳以上の全ての人々には口分田があたえられ、その人が死ぬと国に返す。』と言うこの文章の骨格である事がご理解いただけると思います。
その上で次の二つの情報
② 戸籍に登録された6歳以上。=6歳以上が戸籍に登録された
③ 性別や良民、賤民の身分に応じて口分田があたえられた。
これを暗記すればよいことになります。
つまり、まずその情報の骨格を抜き出しそれを暗記する。その上でその情報の関連する情報や周辺情報を暗記することが大切になります。これが試験で使える暗記法なのです。
それともう一つお伝えしたのは、紛らわしい情報、混同しやすい情報は試験によく出ると言う事です。
次に一つの例を挙げておきます。
raise(中学基本語約1000語)と rise(中学必修重要語406語) についてです。 この二つは基本的な中学英単語で高校入試に出題しても良い英単語に含まれています。
二つの英単語の用法についてここで確認してみましょう。
raise =上げる Raise your hand. 手を上げなさい。
rise=上る Sun rises. 太陽がのぼる。
raise は他動詞ですから、上がると言う動作をするのは raise の後ろにある目的語の手の方です。この例の場合は your hand です。
一方、rise は自動詞で上がるのは rise の前の主語の太陽の方です。この例文は上がるのは主語である、 Sun の方です。
日本人がよく間違えるのは
Rise your hand.
と書いたり言たりしてしまう事です。正しくは
Raise your hannd.
ですね。
この2つの動詞の区別については英検3級の文法問題に良く出題されます。大学入試の文法問題でも頻出です。
簡単に言えばこのような紛らわしい用法は良く出題される問題であると言いう事ができ、注意して暗記しておく必要があるわけです。
もう一度整理しましょう。
① まず基本的で、重要な情報とそうでないもの、に情報をランク付けして、基本的で重要なものから順次暗記する。
② 「間違いやすい、紛らわしいもの」を重点的に暗記する。
それでは次のステップに進むことにしましょう。
次のステップは <2nd ステップ 絞り込んだ『情報』に優先順位をつけ、暗記しやすい形に整理、加工する。> です。
これについては次回のブログ 試験で結果を出す「記憶術」④ で詳しくお伝えをします。