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試験で結果を出す「記憶術」④

2018/05/31
成績の上がる処方箋

このブログでは

<2nd ステップ  絞り込んだ『情報』に優先順位をつけ、暗記しやすい形に整理、加工する。>

 をとりあげます.

 

復習です。試験で結果を出す「記憶術」には以下の様な3つのステップがありました。
 

  1st ステップ  暗記する『情報』を絞る。

  2nd ステップ  絞り込んだ『情報』に優先順位をつけ、暗記しやすい形に整理、加工する。

  3rd ステップ  整理した情報に触れる回数を増やす。

前回のブログでは  <1st ステップ  暗記する『情報』を絞る。> についてお伝えをしました。

覚える対象を絞らずに漠然と覚えようとすると丸暗記になってしまい、効率は下がります。
ターゲットを絞り込み、情報に優先順をつけて、情報の骨格になる情報から先に覚える。そして骨格が頭に入ったら周辺情報、関連情報を順次覚えていく。これが鉄則でした。これを絶対に忘れない様にしてください。

さていよいよ今回のブログの本題に入っていきましょう。

今回のテーマは<2nd ステップ  絞り込んだ『情報』に優先順位をつけ、暗記しやすい形に整理、加工する。>です。

この時次回のテーマ <3rd ステップ  整理した情報に触れる回数を増やす。> を意識して 2nd ステップ を実践していく必要があります。つまり、3rd ステップ での作業がやり易い様に、2nd ステップ で情報を整理、加工しなければならないと言う事です。

情報を整理、加工しないで覚える事を丸暗記と言います。先にも述べた様に丸暗記は覚える効率も悪い上、時間がたつとすぐ忘れてしまします。

よくあるケースは、例えば、学校の先生が項目別に作った社会歴史のプリントの暗記です。

こんなプリントです。

保元の乱(1156) 後白河上皇に味方した平清盛と源義朝が勝利をする。

平治の乱(1159) 後白河上皇をの院政を助ける平清盛が源義朝を破って勢力を広げた。

これを丸暗記しようととした場合、時間を掛ければ一旦は覚えられます。しかし、しばらくすると保元の乱、平治の乱、の順番ですら怪しくなってきます。ましてやそれぞれの戦いで誰と誰が戦ったのか、誰が勝ったのかなどを常に思い出せる状態にしておくのは、丸暗記では難しいものです。

似た様な情報がたくさんあると人間は記憶するのが難しくなります。
記憶の干渉とういう現象が起こるからだと言われています。

特に保元の乱平治の乱は内容が似通っていて記憶の干渉が起こりやすい情報です。

そこでこのシリーズの一番最初のブログ、試験で結果を出す「記憶術」①で紹介したように

BTB溶液の色の変化を覚えるには ビティービーさん君ドアホ と言う語呂合わせが良いとの例を挙げました。

ではここではどうかと言うと イロハニホヘト の の順序はが先でが後です。
これを 保元の乱の頭文字は平治の乱の頭文字は、に当てはめます。起こった順序はイロハニの順番と覚えておけばどっちが先かで迷う事はありません。
従って、「保元と平治の順序はイロハニホへと同じ」と覚えるのです。これが覚えやすく加工すると言う事です。そして、「保元と平治の順序はイロハニホへと同じ」とメモ書きしたり、暗記用ノートに書き込んだりすることで情報を長期記憶に落とし込む事が出来るようになるわけです。

これで保元の乱平治の乱の順序を忘れることはなくなりました。
次は保元の乱平治の乱の内容です。

この例にある歴史の場合、まず第一にこの2つの事件が起こった時代背景をしっかり把握してから暗記をする必要があります。

上にあげた2つの事件について、これらが起こった時代とその背景をまずスムースに言えるでしょうか。それなくして一気に丸暗記しようとしても難しいと言わざるをえません。

この2つの事件は貴族政治の平安時代から武家政治の鎌倉時代に移行していく過程で起こったものです。保元の乱、平治の乱を通じて貴族政治は衰退をして武家が力を持ち始めました。この武家の代表であり実力者が平清盛です。
そして、後白河上皇が、力を持ち始めた武家の平清盛と組んで政治を支配しようとしたのがこの時代背景です。そこに源氏の源義朝が関東地方を支配する武士として登場します。保元の乱では平清盛源義朝は盟友でしたが、後白河上皇の扱いをめぐって対立し、お互いに戦います。これが平治の乱です。
武士同士の主導権争いという訳です。

又、後白河上皇の上皇と言う名称と院政についてはしっかり理解しておく必要があります。

天皇が自分の位をゆずって上皇になって再び権力を持つことを院政と言います。これは絶対に理解しておかないと保元の乱平治の乱の登場人物と歴史の流れは覚えられません。

平安時代の末期の平清盛が初めて武家政治を樹立した時代背景を理解しておかないと、丸暗記で覚えたはいいが後で全部忘れてしまうと言う事が起こってしまうのです。

これが情報を整理すると言う事です

もう一つ勉強の仕方で大切なのは情報の優先順位です。
地理・歴史・公民のいわゆる社会科では教科書を最初から読んで覚えようとするのは危険です。
覚えているうちの先程の記憶の干渉が起こって情報が頭の中で混乱して来るからです。

これを避けるには最も大切なものから順番に覚えるのが一番です。つまりまず最初に問題集を使って頻出の問題を確認するのです。
もっと言えば問題集に出てくる事だけを覚えるのです。基本的な問題集を解きながら、教科書は基本事項を調べる程度に使います。
絶対に教科書を頭から丸暗記に掛からない事です。時間も掛かる上なかなか最後までたどり着きません。

これが情報に優先順位をつけると言う事です。

「パレートの法則」又の名を「80対20の法則」と言うものをご存知でしょうか。

 〇 会社の利益の80%は20%の社員が稼いでいる。

 〇 あなたに掛かってくる電話の80%は20%の知り合いからである。

 〇 納税額の80%は全納税者の20%が納めている。

と言うものです。

これをテストに当てはめるとテストに出題される情報の80%教科書の情報の20%であると言い切ることが出来ます。

つまり効率よく出題される情報の20%を覚えればその情報だけで80点は取れると言う事です。

この法則に従って学習した方が効率は断然上がります。

後はその20%をどうやって見つけるかです。

繰返しになりますが、それは問題集に繰返し出てくる情報であると言う事が出来ます。
要はこの20%をまず完璧に覚えれば良いと言う事です。

この原則を絶対に忘れないようしてください。

つまり試験にでる情報には、出題頻度の高い情報とそうでない情報があり、必ず優先順位をつけて覚えなくてはならないと言う事です。
そして、情報は必ず暗記しやすい形に整理、加工して覚えると言う事を忘れない様にしてください。

是非、学習にこの鉄則を当てはめてください。必ず成果は出るはずです。