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脳を鍛えたい【2】<有酸素運動をする>
昨日のブログ [脳を鍛えたい【1】<脳に負荷を掛ける>] で述べた様にこれまで脳科学では、脳細胞は生まれて以降成長とともに毎日死滅していき、決して再生することはないと信じられていました。つまり、脳細胞は生まれた時が最も多く、成長するにつれ脳細胞は減少していく。これが認知症、アルツハイマーの原因である。というのが脳科学、脳神経医師の一般的な知見だったのです。
しかし近年この脳科学の一般的な知見が覆されました。
脳の記憶を司る海馬という部位の周りの歯状回で、顆粒細胞という神経細胞が新生することが発見されました。つまり、人間の脳では毎日、新しい神経細胞が作られ続けていることが分かったのです。
そしてこの細胞の新生に係る物質 BDNF は、有酸素運動をすると増殖することも分かってきました。
つまり、有酸素運動をして BDNF を増殖させると、脳の中の記憶を司っている海馬の歯状回で細胞が新たに作られるのです。
つまり有酸素運動をすると脳の神経細胞が新たに作られ、記憶力が良くなり脳の機能が上がると言う事が分かってきたのです。
ではどの程度の運動をすればよいのでしょうか。
明確なデーターはないのですが、1回 1時間程度の有酸素運動を週2回以上行うのがベストと考えらています。
また、1回わずか20分の運動でもドーパミンが分泌されると言われています。ドーパミンは人間の脳内でやる気を促し、集中力を上げ、記憶力を高める作用をしている事が分かっています。
このドーパミンが運動すると脳内に分泌される事も分かってきているのです。
ここまで述べたことを整理すると、運動をすると次の様な効果がある事が分かってきました。
① 運動をすると、BDNFが大量に分泌されて海馬の周りの歯状回で細胞を新生させる。
② 運動をすると、やる気を促し、集中力を上げ、記憶力を高める作用をするドーパミンが脳内に分泌される。
また、運動をすることは健康にもいいですから、これを生活習慣に取り入れない手はありません。
どんどん運動をして脳の機能を高めて下さい。必ず効果があるはずです。
しかし、有酸素運動をする事とスポーツとは必ずしも一致しない事も認識して頂きたいと思います。
サッカーやバスケットボール、バドミントン等が上手である事は競技の世界の話であり、この事と有酸素運動をすることは別問題です。競技に親しみがなくても有酸素運動は出来ます。
効果的な有酸素運動とは、例えば、縄跳び、ジョギング、早歩き、自転車こぎ、水泳、等の事です。
有酸素運動はやる気さえあれば誰で出来ます。この点は確認のため念を押しておきたいと思います。
勉強が忙しくなると、特に受験期では、机にかじりつきになって、運動をしなくなる傾向があります。
そんな時ほど、有酸素運動を取り入れてください。必ず効果があるはずです。
日常的な有酸素運動を忘れない様にしてください。