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内申点の真相【塾長日記9月19日】

2018/09/19
塾長徒然草

2002年より、中学生の通知表つまり評価は相対評価から絶対評価に変わりました。

相対評価は戦後教育が始まってから2002年に至るまで使われた生徒を評価するための方法でした。

その内容はご承知の様に 通知表の内申点 5、4、3、2、1 に対して固定した割合が以下の様に割り振られていました。

5・・・・ 7%
4・・・・24%
3・・・・38%​
2・・・・24%
1・・・・ 7%

しかし2002年この長らく続いた評価方法が見直されて絶対評価になりました。

絶対評価は「学指導要領の目標に照らして、個々の生徒の学習の実現状況を総括的に評価するもの」と定められています。簡単に言えば、生徒が学習要領の内容をどの程度理解したかを評価するのが絶対評価です。

 つまり、学習指導要領の内容を十分高いレベルで理解している生徒がいれば、基本的にはその数は問わないと言う事です。仮に数学のテストで100点の生徒が全体の30%いたとすれば30%の生徒全員に『5』を付ける事は可能です。要領では人数を規定していないからです。これが絶対評価の一つの特徴です。

 もう一つの特徴は、相対評価では上位7%に『5』の評価をあたえるときまっていましたから、先生の裁量、判断が入り込む余地はありませんでした。内申の評価はすべて結果次第。成績が何番目かが問題になるだけです。しかし、現在は『5』を与えるかどうかは教師の裁量にゆだねられています。従って、絶対評価になって教師の裁量つまり意図、または悪い言葉でいうと「好き嫌い」が評価に反映されやすくなったと言えます。これが二つ目の特徴です。

 では絶対評価になって内申の評価の割り振りはどうなったでしょうか。
以下の相対評価と絶対評価の評価の割合を並べてみました。

        相対評価        絶対評価
   (2002年までの評価基準) (平成30年4月入試実績)

5・・・・    7%          12.1%
4・・・・      24%          25.6%
3・・・・          38%​                     47.9%
2・・・・          24%                     11.6%
1・・・・           7%                      3.1%

 

ここでこの評価の特徴について考えてみたいと思います。

評価が『3』の生徒と『3』以上の生徒を比較してみることにします。

                 相対評価      絶対評価      

評価『3』・・・・・        38.0%       47.9%       

評価『3』の生徒の偏差値      SS 45~SS 55      SS 40~SS 53               

評価『3』以上・・・        68.0%       85.3%   

この結果をまとめると次の様になります。   

評価『3』の生徒の割合     相対評価 38.0% ➡ 絶対評価 47.9%
評価『3』の生徒の偏差値    相対評価 SS45~SS55 ➡ SS40~SS53  
評価『3』以上の生徒の割合   相対評価 68.0% ➡ 絶対評価 85.6%

 このことから、絶対評価になって『3』は圧倒的に取りやすくなったと言う事が言えます。『3』を取っている生徒の偏差値は明らかに絶対評価になってから下がっています。特に評価『3』の一番底にいる生徒の偏差値はSS 45から SS 40 に大幅に下がっています。それともう一つは『3』以上の生徒は全体の 85.3%に達しており、それ以下つまり『2』と『1』の生徒は14.7%しかいません。

 この結果言えることは『1』『2』を取ってしまうと、入試においては圧倒的に不利になると言う事です。

 従ってどんなことをしても、『3』以上を取らなくてはなりません。これが中学生が常に意識をしなければならない課題です。85.6% が『3』以上ですから少し努力をすればこのレンジに入ることは可能なはずです。

 この点を意識して努力をしていきましょう。