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勉強法シリーズ『国語』
国語の勉強法は色々と世の中に出回っていますので、国語の学力に関心のある人は一度はその類の本を手に取られたのではないでしょうか。しかし、これという決め手になりそうな学習法を提案している書物は殆どのと言っていいほどありません。
「日本人なら国語はできるはず」という理屈で全く勉強しない人もいます。しかしその人が時々いい点数を取ってしまうので、「やっぱり才能か」となってしまい、諦めて勉強しなくなってしまう人も結構いるのは確かです。
成績を上げる国語の勉強法というものは全くないのでしょうか。単なる才能だけが支配する世界なのでしょうか。
実はそんなことはありません。国語にも正しい勉強法はあります。しかし、即効性はありません。気長にコツコツやることが求められます。
【国語の勉強法①】
国語の基礎は「漢字」と「語彙力」です。また「漢字」と「語彙」は別物ではありません。論説文で使われている抽象的な重要な語彙は全て漢字で書かれています。
例えば「抽象」「概念」「思索」「変遷」など、は頻出漢字であり、これらの漢字の理解が語彙力に直結します。つまり、数学の基礎的能力が計算力でありように、国語の基本は「漢字」と「語彙力」なのです。
この「漢字力」「語彙力」をみにつけるには入試レベルの問題や本をたくさん読み、わからない漢字、言葉を辞書で調べ、ノートに書き出しそれを暗記する。この地味なプロセスなしに語彙力が身につくことはほとんどありません。
また、その人のそれまでの読書体験も国語の成績に大きく影響します。読書体験が豊富な人は「漢字力」「語彙力」がすでにある程度身についていたり、身につきやすい状態にあるので、この様な人は国語で高得点を取りやすい、と言う事ができます。
今からでも決して遅くありません、分からない「漢字」「語彙」を書き込むノートを早速作ってそれを持ち歩きましょう。そして「漢字」「語彙力」を自分のものにしていきましょう。しかし、やってみると、英語に比べると意外と覚えやすいのには驚くはずです。やはりそこは母国語です。
【国語の勉強法②】
ここで「抽象」と「具体」の言葉について説明します。この二つの言葉が分からないと国語が得意になることはありません。
チョコレート、お饅頭、ショートケーキ、パフェ、飴、これらに共通する言葉は何ですか、と問えば「甘いもの」と答えられます。
チョコレート、お饅頭、・・・・が「具体的概念」で「甘いもの」が「抽象的概念」です。
つまり「具体」的な例を色々挙げてそのそれぞれの共通概念を「抽象」的概念としてあらわすことが出来るわけです。
これが実は現代文の文章の構造なのです。
「具体」的例をいろいろ挙げて、結論である「抽象」的概念を導こうとする、これが国語の現代文なのです。
つまり結論は「抽象」的な概念の中にあり、具体例には結論はないのです。従って具体例は問題文の論理を理解する目的で考えれば読む必要はありません。
従て、どこが「具体」例でどこが「抽象」的表現なのかを分かりやすく分ける必要があります。
例えば具体例を「」でくくったり、波線を引いたりする事でハッキリ視覚に訴えておく事が試験では大事になります。
塾で国語の授業をしていると問題文に全くしるしをつけないで読んでいる人が大多数です。
そこで、まずここでしておきたい提案は「具体例」と「抽象的表現」にしるしをつけて分かりやすくするということです。
これは試験で急に出来る様になるものではありません。普段の国語の授業からこの様な習慣を身に付けましょう。
もう一度言います、「具体」と「抽象」にしるしをつけて、文章を読む習慣をつけると言う事です。
しそして、
【国語の勉強法③】
勉強法②紹介した、目印を付ける事で、どの部分が結論が書いてある「抽象的表現」かが分かります。今度はそれを集めて、要約すれば、問題文が言いたいことの全体像が見えてきます。この理解が、国語の問題を回答する上で最も大切なことなのです。
この様に文章の言いたいことを理解して問題に回答するのと、そうではない場合では生徒率に差が出るのは当然です。
また、ここで紹介している様に「具体例」と「抽象的表現」の区別がつくようになると、飛ばし読みが可能になり、速読につながります。字面を追った読み飛ばしではなく、意味をしっかり把握した速読が出来る様になってきます。
従って、慣れると文学作品より論説文の方が読むのが早くなります。通常国語の成績が良くない人はこの逆になります。
国語に苦手意識のある人はここに記載した方法をまず試してください。必ず効果が出てくるはずです。