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都立高校入試英語スピーキングテストPart3 【問題Aの解説と攻略法】
都立高校入試英語のスピーキングテストは本年度より導入が決まり、先日11月27日に実施されることが公表されました。
このスピーキングテストはどの様な問題でしょうか。
東京都が昨年実施したプレテストの問題のURLを以下に貼り付けておきましたので参考ししてください。
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2022/files/release20220217_02/bessi.pdf
プレテストをご覧いただくと、このテストは テストA、B、C、D の4問で構成されているのが分かります。
このコラムでは東京都が実施した昨年度のプレテストその中から問題Aを取り上げその概要と対策を検討してみたいと思います。
まずはプレテストの問題A以下に貼り付けましたのでまずこれをご覧ください。
プレテストスクリプト1
プレテストスクリプト2
問題Aは音読問題です。
上に貼り付けたようにスクリプトは2問出題され、この2問をそれぞれ準備された器具(ヘッドセットとタブレット又はノートPC)で録音をします。
東京都教育委員会は スピーキングテスト特設ページを解説しています。
以下にURLを張り付けていますので参考にしてください。
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/content/esat-j.html
また、スピーキングテストの概要を示して、生徒がテストに向けて準備が出来る様に「話すこと」トレーニングのページも解説しています。
以下にURLを張り付けておきますので参照して下さい。
https://www.tec.metro.tokyo.lg.jp/materials/jh_training/
当日の試験では上に貼り付けた プレテストスクリプト1と2の様なスクリプトを見て30秒間練習の時間が与えられた後、30秒間で録音します。
この2つのスクリプトを見ると、難しい単語は含まれていませんが、スムースに録音するためには普段から英文を読みなれている必要があると言えます。
かなり読める人でもぶっつけ本番ではかなり難しいので事前準備が必要になります。
それでは一番気になる、採点基準はどうなっているのでしょうか。
以下に東京都教育委員会が公表する問題Aの採点基準のコピーを貼り付けましたのでご覧ください。
東京都教育委員会は (×)(△)(〇)(◎)の4段階で評価するとしてその基準を示しています。
順次確認をしていきます。
【(×)についての評価基準】
【評価基準の解説】
(英語ではない)、また(十分な量の発話がない)との表現から、「無言で全く録音されていない状態かそれに近い状態」に対するものと理解されます。という事はつっかえながらでも何とか全部読めばこのレベルはクリアーという事になります。但し時間は30秒です。
上に貼り付けたURLの「話すこと」トレーニングに例題があるので、これを挑戦してみて現在の自分がどのレベルなのか、確認をしてみて下さい。
30秒以内で読めない様であれば早速トレーニングが必要です。このブログを更新しているのは2022/10/03 ですので、まだ時間はあります。
【(△)についての評価基準】
【評価基準の解説】
ここの【(△)の基準】では簡単な単語は正しく「発音」、「強勢(アクセント)」が出来ているものもあるが、全体としては不十分な状態を想定しています。
この基準を厳密に解釈すると、単語一つでも「発音」「強勢(アクセント)」のミスがあると、このレベルをクリアーできない可能性があります。
もう一つ注意が必要なのが抑揚(イントネーション)です。抑揚がないとこのレベルをクリアーできないと記載されているので、普段から抑揚をしっかりつけた音読のトレーニングが必要です。
プレテストスクリプト1、2の例題には 疑問文がそれぞれ含まれています。疑問詞(what ,who,whose,when,where,How)以外で始まる疑問文の語尾は ⤴ 上げるのが英語の決まりです。これもイントネーションの一つです。これが出来ていないとこのレベルはクリアーできない事になります。
【(〇)についての評価基準】
【(◎)についての評価基準】
【(〇)について】と【(◎)について】
(強勢、リズム、抑揚が、聞き手の支障となることがある。)(不自然なところで区切る)(言葉や言い回しを考え直すための間が不自然に長い)
この2つの(〇)(◎)の段階ではかなりレベルの高い内容が要求されており、具体的に言うと英語らしい発音と音読が求められます。(〇)か(◎)の評価の違いは内容の出来具合で決まります。つまり、強勢、リズム、抑揚がしっかりできてよどみなく読めるかで評価が分かれるという事です。ある程度出来れば(〇)完璧とまではいかなくてもかなりいい状態であれば(◎)という事です。
前回のPart2 のところでも書きましたがこのテストは民間企業のベネッセが請け負っており、採点はフィリピンで行うとしています。フィリピン人は英語が第二公用語で英語はかなり市民生活に根付いており、ネイティブに近い英語を使うことができます。つまり採点者はネイティブと考えて間違いありません。
この事から見えてくるのは、このテストにおいて日本人発音は全く通用しないと考えたほうが良いという事です。
この問題Aの音読で求められるのはネイティブに近い英語発音、英語の抑揚、英語のリズムだという事を理解する必要があります。
【(〇)(◎)を取るための対策と攻略法】
<発音についての攻略>
- 良く指摘される (L)と(R)や (V)と(B)の発音の区別をする。
- (th)の発音が正確にできる様にする。
- (P)(T)(M)(W)子音の発音が出来る様にする。
<抑揚とイントネーションの注意と攻略法>
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英語の発音では、母音より子音を強く発音する事に注意する。特に子音が頭にある時はその子音を強く発音する。
(例) play pは破裂音でこの部分を強く発音する。 -
また英語は音節ごとに切って発音するのでその点に注意が必要
音節とは 子音+母音+子音が1音節(基本です)
(例) play は 子音+子音+母音+子音の1音節、発音記号で書くと[plei]と一気に発音します。
日本語読みの プレイ [プぅ]―[レ]―[イ]と発音しない事 -
日本語英語の発音をしない事
(例)ticket は 発音記号書くと [tikit] です。 最初の[t]を強く発音すると英語らしくなります。
[チ]―[ケッ]ー[ト]と発音しない事。筆者はイギリス人にこの発音をしてしまい、全く通じなかった経験があります。
<その他の注意>
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その他の注意点としては大きな声ではきはきと読むことが求められます。
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今、学校の教室では生徒を起立させて一人で読む訓練をさせていません。公立中学校の音読は「ご唱和(=みんなで声をそろえて座って読む)」が基本です。
従って一人で読む訓練も必要です。そうしないといきなり一人で読むと緊張して普段の力が出なくなってしまいます。 - 英語が読める人に発音、イントネーションを直してもらう必要があります。
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このコラムの上段でも述べた様に東京都HPに「話すこと」トレーニング というページがあります。
URLを以下に張り付けておきましたので、利用してください。「繰り返しトレーニング」が必要です。